「あ、お帰りー」
「ただいま。さてあたしもご飯食べよっと」
「結構ガーゼ目立つね」
「気にしない方向で行くんで!」


ちゃんに指摘された頬をスルーしつつ、女の子達の円に加わってお弁当箱を開く。みんなは既に半分程食べ終えていたけれど、どうやら私が来るまでゆっくり食べていてくれたらしい。ちゃん自称だから真偽は定かではないけれどね!


ちゃん、午後の競技は何だっけ」
「えっとねー最初は2人3脚よ。で、障害物、応援合戦、団対抗リレー」
「うっは!応援合戦緊張するなあ」
「まあ失敗しても後で笑ってやるから気にしないで良いわよ」
「余計気にするわ」


あたし達団長・副団長は団員の一番前=客席の一番前で踊る。なんていう羞恥プレイだこれ。ああ、緊張してきた。緊張してご飯に喉がつまらな・・ん?喉にご飯が入らない?あ、これだ。

頭の中で振り付けや応援歌、移動などを再現する。・・一応覚えてはいるんだけどな。あとはがんばって踊ろう。


「そんなに緊張しないで大丈夫だよー」
「ゆ、由梨ちゃん」
「みんなでがんばろっ!」
「うん!」


なんて可愛いの由梨ちゃん!
がばっと由梨ちゃんに抱きつくと、由梨ちゃんは「ちょっと暑いよ」なんて不平を漏らした。けれど無視して抱きしめているとちゃんに無理矢理はがされた。「見てて暑苦しい」だとさ。いやいや、これきっと嫉妬だからね。ちゃんの醜い女の嫉妬だから。


「いやーモテるってつらいね」
「あんたなに盛大に勘違いしてんのよ殴るわよ」
「はは、照れ屋さんだなちゃん!」


おおっと、ちゃんに睨まれた。この辺で止めとこう。そろそろ自重しないとね、アレだから。ちゃんマジ切れするから。


『――2人3脚に出場する生徒は、入場門に移動してください』

「あ、そろそろお昼終わるわね」
「おっしゃ!午後も頑張ろう!」



太陽ぎらぎらやる気めらめら。体育祭って素晴らしい!