「〜っおい、それは本当か!?」
「どうした、ロマーリオ。」


ロマーリオの切羽詰った声に辺りの空気は緊迫した物へと豹変する。ロマーリオは顔を真っ青にさせながらも、重々しく口を開いた。


「大変だ、ボス。例のリストが盗まれちまった」
「なっ!」
「負傷者100人以上。やばいぜ、こりゃぁ・・・」
「・・・っ、ソイツ等の身元は」
「それが何一つ分からねぇんだ。しかもソイツ等、じゃねぇ。たった1人だったらしいぜ。恐ろしく強い男らしい。」


大切な部下を傷つけられて、口調こそは冷静なもののディーノの目は怒りに満ちていた。


「何処かの組織の・・・スパイだな。金で雇われてんじゃねぇか」
「金で動く・・・Judahだな」
「ユダ・・・冗談じゃねぇぜ、全く・・・!」
「許さねぇ・・・っ!」



* * *




「っごめんなさいー!」
「ごめんで済むかアホ!アレほど警備には気をつけろっつっただろーが!」
「で、でも結果的に成功したんだし・・・!」
「それでも・・・危険だった事に変わりはないね。いくらが強かったとしても」
「・・・は、い」


目の前には仁王立ちするハルさんに椅子に腕を組んで座り黒いオーラを放出中のヒキさん。私だって焦ったんだ!頑張ったんだ。いや確かにちょっとピンチだったけど。


「まぁまぁ、もう良いじゃないですかー」
「カイくんは黙っててくれるかな?」
「っは、い!」


救世主、カイくんもどうやら今回は役立たずだ。怖いよ、本気で怖い、怖い、怖い、怖い!


「・・・トレーニング、4倍ね」
「〜っ!」
「覚悟しとけよ」
「・・・ちゃん、ドンマイ・・・」


初任務、失敗に終わったのか成功に終わったのか分からないや



レグランデ・完