今日も愉快な並森中♪大なく小なく並が良い♪

みなさんこんにちは。日々ストーカーに悩まされるです。中学3年生です。至って普通の中学生です。


「あっおはようございます先輩!!!」
「うっす隼人」
「(先輩に挨拶を返してもらえた――っ!!)」


下駄箱で靴を履き替えていると後ろから現れた隼人。あんまりにも勢い良く頭を下げるからビュッ!て音なったぞ。大丈夫か。脳細胞死んでないか。


「あれ?綱吉と武どーした?」
「10代目と山本のアホは今日朝から補修だそうです!」
「お前は行かなかったのか?一緒じゃないなんて珍しいなー」
「あ、はい、その…はい、(早く来たら先輩に会えないじゃねーか!)」


バツが悪そうに下をうつむいてしまった隼人。こいつ、やっぱいつ見ても派手だなー!銀髪って、まじ中学生じゃかんがえらんねーよ。俺黒髪なのに。いーよな。銀髪って結構人を選ぶと思うんだけどこいつの場合見事にフィットしてるもんな。俺が銀髪にしたらどこの亜久津――あ、テニプリのな――だよって話だ。


「途中まで一緒に行こうぜー…つっても、階段までだけど」
「っはい!俺で宜しければ喜んで!」


あー、可愛いな、隼人って!そう言いながら隼人の頭をがしがし掻き回す。すると驚いたように一瞬目を丸くしたものの、また下をうつむいてしまった。本当可愛いなこいつ!俺、可愛い後輩を持つの夢だったからすげー嬉しい。
他愛もない会話をしながら廊下を歩いていると、前方になにやら佇んでいる人影が。…髪型、まさにパイナップルだなー…って、パイナップル!?いや、まさか!?
近づくにつれてその人影も段々はっきりとしていく。…何でお前が此処に居るんだ。お前黒曜生だろーが、骸!!!いみわかんねー、しかも何で並森の制服着てるわけ!?すっげー会いたくない!嫌な予感がぷんぷんするね!


「は、隼人」
「なんっすか先輩」
「……ちょっと先行ってて」
「?…っは!もしかして具合が悪くなりましたか、先輩ー!!」
「わっ、バカ!大きい声出すなっての!」


慌てて隼人の口を塞ぐものの、時既に遅し。骸はゆっくりとこちらに顔を向け、満面の笑みを浮かべたかと思うと一気に走ってこっちへ寄って来た。うわ、キメェ!


「ぎゃー!訳わかんねーけど来んなー!」
先輩っ!?」


なんか追いつかれちゃいけない気がする。そう瞬時に判断した俺は慌てて方向転換、骸と正反対の道を突っ走る。なに、これ!


くん!どうして逃げるんですか!!」
「ってかどうしてお前は居るわけー!」
愛しさの故転校してきました
ふざけるな
「そーだテメェ、何で並森に居やがる!!」
「って隼人まで追って来てんのォ!!?」


まじで意味分からないけどぜってー捕まんねぇ!これでも脚力と体力に自信はある方だし、何とか自分のクラスまで逃げ切ってやる!逆戻りは出来ないからいつもの階段は使えない。っつーことは遠回りして行かなきゃならねーってことか。…よし、頑張れ俺!


「さあ!受け止めてください!僕の愛をォォオオ!」
「きめーんだよこのセバスチャンが!!」
「って、あれ…?何してんの?」
「あっ10代目おはようございますっ!」
「お?あれ先輩じゃねーか。鬼ごっこか?面白そうだな!俺もやるー」
「あ、じゃあ俺も!」



何でお前らも加わってんの!?
そんな心の突っ込みも聞こえる筈がなく増える足音。さっきから廊下を歩いている奴にぶつかりそうになりながらも、(その度に謝りながらも)全力疾走の俺。つきささる視線の数々。こうなったら男の意地だっての!よく分からないけど!


「あ、じゃねーか!(ツナの学校見学しに来てラッキー!)」
「い゛っ!?ディーノ!?邪魔だってのー!」
「わっ!?」


ディーノまで登場とか都合良すぎじゃありませんか?
確かディーノと最後に会ったのは半年前だよなー…ツナの家通りかかったら騒がしい音が聞こえて…窓からディーノが、ってこんなこと考えてる場合じゃなかった!
へらへら笑うディーノに内心謝罪しながらも思い切り横へ突き飛ばす。そして一気に階段を駆け上る。あと少しで!あと少しでよくわからん勝負俺の勝ちだぜ野郎共!


「邪魔ですよ退いて下さい」
「うお、骸!?ってみんな集合じゃねーか!どうしたんだよ!」
「散れ!跳ね馬鹿!」
「え?なにお前ら、追ってんの?」
「てめーには関係ねー!」
「あ、ディーノさん!?家に居てって言ったのに!」
「あ、ちわっーす。」
「?まあよく分かんねーけど俺に任せとけって!」


後方から聞こえる声に少し気を取られながらも必死で階段を駆け上がる。3段飛ばしなんてお手の物だね!ようやく3階まで上って再び全力ダッシュ。一番奥の教室がマイ・クラスルーム!!ふっ、余裕だな。
ふと後ろを見てみると、あいつらも3階へ辿り着いたらしい。ディーノなんかは不敵に笑って片手に鞭を・・・って、うそ!?この距離なら届いちまう!


「おらっ!」


ビュン、と音が鳴り、目をつぶって鞭が足に絡まって転ぶ覚悟をした。…のに、一向にその痛みは現れない。
その代わりに大勢の悲鳴が。


「って〜!」
「あはは!何だよ、これー」
「わ、わりぃみんな…」
「お、お怪我はありませんか10代目!」
「あ、っちょ!誰ですか今僕の●●●触った人!


・・・5人で仲良く鞭に絡まっていました。
ッフ…!結局俺の勝ちだ。いや、なんの勝負か知らないし突っ込みどころ多すぎるけど。右手で額の汗を拭い、後ろの奴らに馬鹿にしたような笑みをお見舞いしてやった。
そして悠々と歩いていく俺――の、目の前に立ちふさがった奴。雲雀恭也。運、悪すぎ。


「やあ。朝から騒がしいみたいだけど?」
「あー…、なんでもねーよ。気にすん――しないでください」
「……君に免じて許してあげるよ」
「…どうも」


ほとんどの奴らは風紀委員を怖がるけど俺はなんか逆にむかつくんだよな。第一タメのくせになんで敬語使わなきゃいけねーんだか!初めの頃は雲雀とよく喧嘩してぼこぼこにされたりぼこぼこにしてやったけど今となっては――


「ところで」
「?」
最近僕の秩序を乱すのは君かい?
「(知らねぇーっ!!)」


理解しがたい台詞を真顔で言う雲雀に若干引いた。2万マイルくらい引いた。
その後雲雀は「。いいや、。きみって本当可愛いね。僕は世界一…宇宙一…」といつもの様に演説を始めたので雲雀には悪いがそそくさと教室に入らせてもらった。


「よう、
「あー、おはよ」
お前朝から大変だな…
全くだよ…


こんな俺の日常。