そ の ゲ ー ム は い き な り や っ て き た 。
プロローグ.ゲームスタート
「。あんた、立海大付属に転校しなさい。」
「はーい」
またか。
悠長に話しかけてきた、この女は一応俺の母親。
父親は……数年前から行方不明。
まだその頃小学生だった俺は凄く心配して警察に連絡した方がいい、と母親に提案したのだけど、そんな時母親は「なに?アンタ、の分際であたしに命令してんの?」と・・・こう、次発言したらコロス…という目で俺を見てきたため・・・うん・・・、後の事は察していただきたい。
俺は小さい頃から転校を何度もしてきた。
母親の仕事の都合〜とかじゃなくて、母親が狂ってるから。(いや、本気で!マジ笑えねぇ)(あいつ曰く、「あんたが困ってる姿見るの大好きだから♪」らしい)
本当、俺の母親は狂ってる。
前なんか、口答えしたら包丁を首に突きつけてきた。(アレは殺人未遂じゃないのか?)(よい子は真似しちゃいけません!)(あっ 悪い子も)
おかげで立派な友情なんて育めません!
あ、いや…アイツ等が居るか…。
「、そんで今回は女装して学校へ行ってもらうわ。」
「ハイハイ………っって!?!?え、な…何で?」
「決まってるでしょ?あたしが楽しむタメ。うふふ、あんたがおどおどする姿なんて滅多に見れないわー」
「(やっぱりかー!)いや、でもセンコーとかにバレたら…」
「先生にも、み〜んなみぃんな許可取ったわよ♪」
「……」
この女の事だ!
包丁でも持ってって脅したに違いねぇ
「でも…あんたの事だから、やる気なんて全くないでしょう?」
「やる気はないけど…ヤる気ならある!」
「それで!この高校生活最後の1年間、女装を誰にもバレないで過ごせたら…」
「(スルーかよ)過ごせたら?」
「あたし、もうあんたに関わらない。そして、の父親を探してあげる」
「…っ!約束…するか?」
こんな常に包丁を持った女と関わりを立ちきれるなんて、とても望ましい事。
そして、俺の父親………アイツに会える。あの事を、聞ける。
良いチャンスだ。
「するわ。」
ニヤリ
笑みを零す、母親。
我ながらキモいぞ、母親よ。うん。
「まぁ、最初からに拒否権は無いんだけどね」
えっ 何か言いました?
「あぁ、かつらやカラコンは使っちゃ駄目よ?」
「はぁっ!?」
「あらっ?何か問題でも?」
「…、あ、ありません」
お願いだから後ろに何か隠しながら言わないで下さい。
カツラやカラコンなし、か・・・うーん・・・まあ、仕事上は大丈夫かな、うん。顔出す仕事でもないし。
「うん、じゃぁ…早速明日からね。制服その他諸々はもうの部屋に置いてあるわ。もう寝なさいーおっやすみv」
「おやすみなさい..」
まだお昼ですよね。あなたボケてるんすか?そう思ったのは内緒です。
あ、だから、この事を聞かせるために今日わざわざ学校早退させたのか…
色々と思いをはりめぐらせつつ、俺は自分の部屋へ戻って行く。
母親は、1週間に一度位しか家に帰ってこない。・・・いや、1週間に一度帰ってくれば良いほうだ。
そして、たまに帰って来ると思えば俺に食費や色々置いてすぐ家を出て行く。
んで、3ヵ月にいっぺん位に、俺をこーやって遊ぶのです…(マジひでぇ)
実は、アイツは俺の本当の母親じゃない。
父親の再婚相手。…まぁ、その辺はごちゃごちゃしてるので話す気にはなれないけど…。
「って…これは…」
部屋に入るなり、目に飛び込んできた制服。
「スカート…短かすぎだろ…キャバクラかよ!」
膝の上を通り過ぎて、太ももの辺りまでのスカート。
流石の俺でもミニスカートはちょっと・・・、どうよ?・・・
キモいよなあ。17歳の健康的な男子がミニスカートとか、どんだけー!
だけどよく見るとブレザーの下からなにかが覗いている。手にとってみると、それは俺が毎日はいていたもの、――ズボン、が掛けてあった。
推測ではあるものの、立海の女子服はズボンでも可能・・・、ということなのかもしれない。とりあえず、これで第一の難関はクリア、だ!
「次は容姿だよなあー・・・」
俺は鏡を見た。髪は…まぁ、元々長いから問題ないだろう。
問題は、目。
俺の目は、金色。ムカつくくらい金色。
幼い頃はそのネタでいじくり通されたものの、今は結構俺自身でも気にいってたりする。
男であることがバレなようにする為には、やっぱり地味に過ごさないと。うーん・・・まあ、なんとかなるかな・・・?
そして一通り明日の準備を終えると、俺はあの2人にメールを送る。
俺が中学生の頃山吹に転校したのがきっかけで、この2人とは結構続いてる。
山吹高校に通う千石と亜久津の事だ。
…学校に見にこられたらたまらないので、女装という事は秘密にしておこう。
俺:また転校する事になった。今度の学校は立海だってさ
千石:あ、こんな時間に…またサボり?って、マジ!?…って、立海!?!?
俺:お?千石何か知ってんのか?
千石:テニスで有名じゃない!ラッキー!ついてんじゃん
俺:俺、向こうでテニスやるつもりないから。…あ、俺地味に生活したいんだけど、関わらない方が良い奴って居る?
亜久津:男子テニス部
俺:よっす亜久津!返事ねぇからまた寝てんのかと思った!俺と千石のメールチラ見してたんか…エッチ!
千石:うん、男子テニス部は関わらない方がいいね。特に仁王かな!
千石:俺とのラブラブメールをちら見なんて、あっくん中々やるね!
俺:おっけ男子テニス部ね。仁王ってどんな奴?
亜久津:俺はエッチじゃねぇ!!
千石:ペテン師だよね!
俺:んっ??亜久津がペテン師?
なんかよく話しわかんねぇ!こんがらがってきた!じゃな!
携帯を、パタリと閉じる。…亜久津がペテン師だったらウケるな。
「さぁ・・・このコイン、かけるかね?ふふ、俺は別に構わないけど、後悔するのは君だよ…」とかあの顔で言ったりしてて?
あとからメールが来た事を知らせる音が鳴ったが、面倒くさいので無視。
な〜んか3人でメールすっと長くつづかねぇんだよな…(まぁメールは3人でやるものじゃない!…っけ?
ベットに転がると、ちょうど壁にかけられた立海の制服が見える。
明日から、立海か…しかも女装。
何だか面倒くさい。
そんな事を考えていたら眠くなってきた……
そして、俺は知らないうちに眠りについていたのであった…
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