〜?〜?ちょっと、聞いてるの!?」



「もう何!?聞いてるっての!静かにしてよ!せっかく今日は休日なんだから!」



ローソンさんに買い物行って来てくれない?」



「嫌。ってかまずコンビニの名前に”さん”付けるな!紛らわしい!」



「あら?外人さんみたいで素敵じゃない?浮気相手vみたいな」



「そーいう事子供に言わんで下さい。」









天国と地獄 番外編
    ――12月4日










「うぅぅ…寒ィんだよ…糞がああ…」




マフラーに顔を沈めながらそう呟くものの、風がぴゅう、と吹いて寒いったらありゃしない。

もう12月3日だってのにさぁ……マジ寒いっての。




「いらっしゃいませー」

「…。」




ローソンの扉の前に立てばガーっと自動的に開いて、中から暖かい空気が。

あー、そう言えばテニプリの世界にもローソンあるんだな…

そう思いつつ、調味料が置いてある棚を探していると・・・




「よう、。」




いや、何も見てないし?

何事もなかったかの様にローソンを出て、家に帰ろうと走り出す




ガシッ


「奇遇じゃのぅ。」

「………マジですか……」

「マジマジ。ピヨッ」




めっちゃ笑顔な銀髪の彼、仁王にがっしりと肩を掴まれる。

あああああ何でこんな時に…!

っていうか、何で仁王が此処に!?




「放して」

「ヤダ」

「寒いんだっての」

「なら俺が暖めてやろうか?」

殺すぞ

「連れないのう…」




仁王はそう言いつつ私の手を握って自分のポケットに入れる。




「…何やってんの」

「ちょっと位いいじゃろ?付き合いんしゃい。」

「寒いんだっての」

「だから、手。」




めっちゃ嫌悪感むき出しにして仁王を睨みあげるものの、仁王はふんふん♪と鼻唄を歌い始める始末。

そして何処へ行くのか、私の手を握ったまま歩き出す。

私は はぁ、とため息をつくと、渋々仁王と歩き始めた。




「誕生日の日に好きな女に会えるなんて、俺は幸せじゃ」

「…誕生日?」

「そう。12月、4日。俺の誕生日ナリ。」

「12月…4日…」




キュイイイイイイイイィィィィンと音を立てて回転し始める私の脳みそ(★

あ!仁王の誕生日だ!

あっちの世界に居るとき、そりゃぁもう舐める様に公式ファンブックを見てたのでしっかりと覚えてます!




「祝ってくれんの?」




沈黙状態が続いていると、仁王が少し不満そうにそう言葉を漏らした。




「え?あぁ、おめでとー仁王くん」

「心が篭っとらん。もう1回」

Happy Birthday Nio!!★

合格

「(え、今ので良かったの!?)」


「”おめでとう”何て言われたのは久しぶりじゃ。」

「…っ」




ドキッとした。

仁王が余りにも嬉しそうに言うから。




「親に、毎年言われないの?」

「あぁ…親は、俺の事何とも思っとらんからな。」

「んな訳ないでしょ」

「いや、何か喋ると殴られるか怒鳴られるかのどっちかじゃ。」

「え…?」




そういって、苦笑する仁王。

仁王が…虐待…?

おいおい、マジかよ…何か、物凄く切ない。

何でだろう。もしかして「嘘じゃけどな」




は?

「ククク…嘘じゃ、嘘。毎年祝ってもらっとるよ。」

「っっ糞仁王ー!!!

の困った顔、可愛かったぜよ」

「もうマジで仁王うっざ!私がどんだけときめいたと思ってんだコノヤロー!

「ピヨッ」

「仁王のバーカ!変態!エロス!詐欺師!伊達眼鏡!ヘタレ!ヲタク!」

「おい、途中から某伊達眼鏡の悪口になっとる。




ククク…と声を漏らす仁王の顔はいつもの詐欺師の顔で。

私は心底ムカついた。

思わず殴ろうと思って右手に力を込めたらそっちは仁王に握られてた手の方で、

勘違いした仁王が「なに?もっと強く握ってほしいんか?おねだりしてみんしゃい」なんて言うんで「ははは、バーカ」って笑顔で言い返した。




「…わー…」




仁王と争いながら歩いてって、気付いたらそこはクリスマスツリーが飾られている駅前の大広間。

もう辺りは真っ暗で、クリスマスツリーの光がとても綺麗・・・・って訳ではなく、今は真昼間です。




「ちょっ、仁王。綺麗だけどさ?こんなとこに私連れてきてどーすんの。嫌がらせですか!彼氏が居ないっていう!

「いや〜、此処で待ち合わせ。」

「その相手がアンタの彼女だったら彼女の目の前で濃厚なキスしてやる

「ククク…そりゃぁ楽しみじゃ。」




ムカつく。辺りを見渡せばカップルだらけ。

うぜー仁王うぜー。

ずず、と鼻水を吸い上げると、遠くの方からこれまた聞き覚えのある声が。




「におー!」

「仁王先輩ー!」

「おお…来た来た。って、何処行くんじゃい。」




手をぎゅーって硬く握り締める仁王。

「ちょっ、いたたたた!痛いっての!」と言うと、「ははは」て爽やかに笑われた(SINE★

そして走って来る立海メンバー。(だから逃げようと思ったのに…会いたくない!




「待たせたな…って、?」

「本当だー!だ!何で此処に!?」

「あぁ俺が捕獲しといた。」

「私は動物じゃないです」

ふふふ、楽しい誕生日会になりそうだね…

「……。」




どうやら話の流れ的に、立海メンバーが仁王の誕生日会(っていうか遊び会?)をするっぽい。

あっはっは、笑えねー。逃げてー。

とか思って1歩歩き出そうとすると仁王に手をちぎられそうな勢いで握られるし、幸ちゃんと赤也に目の前に立たれるし・・・もう逃げる事は不可能なようです。




「ジャッカル、ちょっと来んしゃい」

「何だよ?」

、コレ、俺の彼女じゃ。」

「「「ウソオオオオオオ!?」」」




ジャッカルを呼び出したと思えば、いきなり何を言うんだこの子は!

そして驚く私と、ジャッカルと、真田。




「濃厚なキスをしてくれるんじゃろ?」

ほんじゃぁジャッカルと彼女の証拠を見してください。

「?分かった」




仁王はそうやってニヤリ、と笑うと、ジャッカルの顎を掴み…「って本当ごめんなさい。まさか本当にやるとは思いませんでした。グロテスクなんでやめてください。」

ジャッカルは固まってて、真田は顔が真っ赤で、ブン太や赤也や柳や柳生や幸ちゃんは笑いを堪えるのに必死。

いやぁ、本当心臓に悪かった…!

バクバク言ってる心臓を収めようと肩で息をしてると、腰に手を回され顎を捕まれる。




「濃厚なキス。」

「いや冗談だから。アレ。(ちょっと本気だったけど」

「彼女が居るんじゃが」

笑えない冗談はやめて。

「じゃぁ、誕生日プレゼント、って事で」

「お前マジで「仁王?を放してくれないかな?」

「…プリッ」




幸ちゃんありがとう!

仁王は渋々私から放れる。一方幸ちゃんは「?キミはどういう事を口走った訳?」ってうおおお怖えよ




「おい、そろそろ行こうぜぃ。」

「そうだな。時間がなくなってしまう。」




ブンブンの言葉にみんなが賛成して、何処かへと出発しだした。(マジ何処に行くの?

仁王はちゃっかり私の隣に来てて、また手をつなぎだす。




「だから手ぇつなぐなっての。」

「いいじゃろ。」

「……」

「誕生日なんじゃし。」

「あぁ…今日だけだかんね!」

「ありがと。」









「におー」

「ん?」

「誕生日、おめでとう。」

「あぁ。」





仁王はくす、って嬉しそうに笑って、その顔を見て私も笑った。







ちなみに、この後の事は色々と悲惨だったので聞かないでください。






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あっはっは、さん!お使いはどうした!
なんかバースデー夢じゃ・・・ない…orz
仁王!大好きです!誕生日おめでと!