変な夢を見た気がする。







2.おはようございます








〜!ご飯よ!起きなさ〜い!」

「んぁあ・・?タイツ・・ルンルン・・ハッ!!



ガバッと起き上がり、辺りを見渡す。

目に入ってきた風景は先程の綺麗で広い寝室ではなく、いつもの自分の部屋。

・・くそぅ!やっぱ夢だったの!?

まあ・・夢でよかったと言えば良かったけれども。

そういえば夢って深層心理なんだっけ?

トリップしたい、までは分かるけど・・全身タイツ?そうか・・私は全身タイツをやってみたかったのか・・



「ホラ、早く来なさい!今日から新しい学校でしょ!?遅刻するわよ」

ゴフッ!新しいガッコ…!?」


そんなの一切聞いてないんですけど!?

慌ててリビングにかけていくと、テーブルには朝食と、朝刊と・・・・何処かで見た事のある様な制服が置いてあった。



「か……母さん…これ…」

「ん?あんたが着てく制服でしょ!」

「と、申しますと…?」

「氷帝学園の制服よ!さっさと準備しなさい」



マミー、ぼけてないかい?氷帝ですと?

もしかして・・もしかして・・・・!!!!



「キャッホォォォォォォッォイ!!!!!」



私来たんだ!!テニプリの世界に!ありがとう!ルンルン!お前は立派な魔女っこだよ!

しかも転校とかナイス設定!グッジョブ!


用意してあった朝食を20秒で平らげ(食べるより飲むって感じね☆)衣装(制服)を持って自分の部屋へ直行。

氷帝の制服・・ちょっとお嬢様っぽいウフフ☆

一人で鏡を見ながらファッションショーをしていると(寂しい女なんです)外から自分の名前を呼ぶ声が聞こえた。

窓を開けて確かめてみると、そこに居た人物とは・・・・



?ふふ、早く来ないと窓に小石投げ込むよ



幸村 精市だった



「!!!?ゆっゆきむら!?しかもめっちゃ地味な攻撃つき!!

「?」

「ゆゆゆゆきむら・・・・」



っていうか早くしてくれない?

「(――!?なにこの寒気!)分かりました!」



なんで黒魔術幸村さんなんですか!?

私が夢見てたのはちょっとヘタレ気味で、でも強くて優しい幸村先輩であって

こんな明らかにギャグ路線突っ走ってしまうような設定の幸村じゃないんですけど!

そういえば黒い幸村と言い、全身タイツと言い・・ルンルンお前、明らか楽しんでるだろ!私で遊んでるだろ!



コロン・・

「うお!?」


小 石 が 投 げ 込 ま れ た

・・駄目だ、早くしないと私の部屋が小石だらけになる・・

母にむかっていってきまーす!と叫んで、あわてて扉を開けた。





「遅かったね」

「スミマセン・・」

、今日から氷帝に行くんでしょ?」

「あ、うん」

「ねぇ、何で立海にしなかったの?」

「ぇ、」

「・・・・まぁ、良いけどね」



笑顔だけど、すっごい怖いのは何でだろう…幸村サン…

いやはや、それにしても爽やかイケメンですね幸村!

ていうかまず、私と幸村の関係はなんなんだ。何で学校は神奈川なのに迎えにきてる訳この人!?



「あの、つかぬ事をお聞きしますが」

「ん?」

「私達ってどういう関係・・なんですか?(うお、ちょっとストレートすぎたか!)」

「何?忘れちゃったの?」

「(うっ!)ぇ、いや!確認しておきたいなと思いまして!」

「フフッ、恋人同士だよ」

「!!!!!!!!!!!!」

「なんてね」

「・・・・」

「俺達は幼馴染でしょ。が東京に越しちゃって中学は別々になっちゃったけどね」



なるほど。ナイス説明だ幸村。どうもありがとう。

幸村とは幼馴染か・・美味しい設定だ。

でもなんで私氷帝に転校なんてするんだろ。

・・そこはつっこまない方がいいかな?



「あ、ていうかさ」

「なに?」

「幸村は・・さ。何で今ここに居るの?立海って神奈川でしょ?」

「あぁ・・それね」



幸村は少し考える素振りを見せてから、すっごく爽やかな笑顔でこう言った。

あの時の笑顔ったら、そりゃあもう楽しくてしょうがない笑顔だった。



を転校初日から遅刻させようと思って

うそおおおお!?何そんな最低なことしてんの!!?



しかもわざわざ東京まで来て!!かなり早起きだったろうに!

そういえばここ何処!?なんかめっちゃ人通り少なくて怪しい路地裏なんですけど!



「あ、じゃあ俺あっちだから行くね」

「あ・・ちょっ・・幸村、そっち行き止まりだよ!?

「え?行き止まりじゃないよ?楽しそうな子供達が走り回ってるけど」

それきっと見ちゃいけない世界だよ!

「ムー大陸への扉が」

幸村あああああああ!!戻ってきて!!!


ばいばい、と手を振りながら行き止まりの壁へ歩いていく幸村。

くっそ・・幸村ってこんな鬼畜キャラでしたか!?



「あ、そうそう」

「えっ!?何!?」

「久しぶりにあったけどさ、また『幸ちゃん』って呼んでよ」

「ゆ、ゆき・・ちゃん?」

「昔はそう呼んでくれただろ?」



顔を少し傾けて、幸村は綺麗な笑顔を見せた。

―――これだよこれ!!私が求めてた幸村・・いや、幸ちゃん!!!



「うん!幸ちゃん!あ、でも精市って呼んでも良い―――って、いないし!!?私めっちゃ痛い子じゃん!ちょっと待って幸ちゃんまじで!」



リアルにここ何処ですか!?

しかも結構時間経ってると思われます!

どんだけ暇で嫌な奴なのあの人!?

・・軽く、幸ちゃんにトラウマ持った。彼には逆らわない方が良いに違いない。っていうか、敵いそうにない。



・・とりあえず、学校は何処ですか。






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