うっはー超面倒くさー。そうそう、我が氷帝学園ではもうすぐ体育祭なのでございます。それでクラスごとにダンス踊るんだけどさー、あたしって実は背低そうに見えて高いのね?ダンスは背の順の男女のペアで踊るんだけどさー・・・なんか宍戸とペアになりそうなんだよね。いやいやいやいやそうしたら由梨ちゃんと変わってあげるつもりだけど。とりあえずは女子パート頑張れよ、あたし!本当ダンスって駄目なんですよね。運動音痴だからみんなよりワンテンポ遅れてるっていう、ね。
で、我がクラスは何を踊るかと言うと・・・大塚愛ちゃんのあれ。「チュ〜リップのこいもよお〜」ってやつ。何故それに決まったんだ。あたし激しく踊りたくないんですけど。しかも、だ!最後の歌詞の方の「チューすれば気付く運命の相手☆」のところでこう・・・お互いを指差す振り付けな訳なんですよね。うっはー!いやいやいやいやマジこれないでしょ。あたし照れちゃいますよいやいやいやいや。これは絶対宍戸カップルくっつけてやりたいな〜。「運命の相手☆」ってきっと2人とも顔真っ赤にするんだぜ。かっわい〜
ところでこの消しゴムも結構すり減ってきましたね、はい。ちゃんや由梨ちゃんには何回もカバーを外されそうになったんですけど何とかセーフ!みたいな。ぎりぎりでバナナパンチ!みたいな。あともう少しでこれ使い終わるのかなー。まあもうどうでも良くなってきたんだけどさ、貧乏性なあたしは消しゴムを全部使いきりたい訳です。分かる?ボールペンのインクとかノートとか最後まで使いきりたいこの気持ち!此処まで来たらやってやろーじゃねーか!そしてちゃんのはアレ、まぐれだったんだよ。今も順調に交際続けてるっぽいけど。














「ちょっ!ちげーよそこ!なんかハードゲイになってる!」
「・・・・・・」
、今度はそれどじょう掬いになってるから」
「うがああああやってられっかああああ!!!」


自分でもあ、コレキモいな、って思うくらいの奇声をあげながら教室の床を転げ回る。しばらくゴロゴロしてたらちゃんと由梨ちゃんに蹴られた。はいはい分かったよ頑張りますからあたし頑張ります!
どっこいしょー!と声をあげながら起き上がると、ちょうどそこに廊下で練習していた男子共が教室に入って来た。


「お前のキショい奇声廊下にまで響いてた。」
「おう宍戸。あたしもあれは自分でもキモいと思った。」
「お前女じゃねーよな」
「あたしの母ちゃんのお腹の中には今も持ってき忘れたティン」
「わーわー!!お前そういう下品な発言やめろって。マジお前女じゃねー」
「だからティン」
「うーわー!」


宍戸は自分の両耳を両手で塞ぎながらあたしに頭突きをかましてきた。いった〜!宍戸の石頭ー!と大声を出しながら宍戸の足目掛けて蹴ってみたんだけどヒョイ、と軽くジャンプして避けられてしまった。流石、テニス部。ってかあたし本当宍戸にどきどきしなくなったかも。いや、好きな人だったらティンコとか言えないよなー・・・ってことはあたし宍戸のこと諦められたのか!ちょっと寂しいな、でもやったぜ自分!


「お前もダンス頑張れよークラスの足ひっぱんな」


だけどそんな不意打ちでニカ、とか笑われるとドキっときちゃうんだよね。

でもやっぱりこれ終わりに向かってるから。大丈夫だよ、安心してね。