こんな波乱万丈の合宿なんて望んでませんってば!

…早く、終わらないかな…





19.朝っぱらから頼み事







「…ふぁ…あ…」


重い体を起こして、辺りを見渡す。


隣には、ベットに入って寝てる宍戸。そしてもう片方の隣にはシーツに包まって床で寝てるジャッカル。

大石は…やっぱり、居ないみたい。

そうだ、此処は5号室だった。

何故私は此処に居るか。それは今を遡る事数時間前―――























私は、ジャンケンに狂っている1号室(+α)の奴等の目を盗んで、5号室の前に来ていた。

此処なら泊めてくれると思ったから。



ガチャ



「こんばんわ。」

「「!?」」



ドアを開けて挨拶をすると、似たもの同士の宍戸とジャッカルが驚いた声を上げる。



「…か。何か用?」



コイツ…!頭から触覚生えてる癖に私の事苗字で呼び捨てにしやがった。

あれは、確か青学の大石クン。へたれキャラって感じで、漫画では好きだったんだけど…あからさまに私を睨んでる。

あれか、おめーも私が涼を殴ったとか思ってるんだろ!くっそー!



「実は…部屋が使えなくなってしまって。係員の人に聞いたら、3階の方と相部屋と言われてしまって…此処に泊めて貰えないですかね?夜遅く(でもないけど)すみません。」

「…、お前も運が無いな。激ダサ。」

「私はダサくない。ダサいのは水道管だ。」

「それはカナリ無理があるだろ…。」

「あぁ、兄上!久しぶりですね。」

「…そのネタ引き摺るのはやめてくれ…」

「…(何があったんだ?)」

「で…良いでしょうか?」

「何で俺達の所に来る訳?おたくの部長の部屋でも行けば良いでしょ」

「(嫌味な男だなvははは☆)ごめんなさい…でも、色々事情があって…。」 

「…勝手にして。ちなみに俺には話しかけるなよ?もう寝る。」

「(…大石キャラ変わってないですか?)はい、すみません。」



大石はそれだけ言うと、とっとと端っこのベットに潜って寝てしまった。

…ムカつく。



「あー…そういえば、ベット3つしか無いけどはどうやって寝るんだ?」

「愚問ですね?ジャッカル君v」

「…え?(嫌な予感が!)」

「(ジャッカル…ドンマイ。俺は何も言わない。)」

「まさか私に床で寝ろなんて言わないよね?言わないよね?」(ニコ

「どうぞ俺のベットを使ってください…。」



半泣き状態で私にベットを使って良いと言ったジャッカル。

…ちょっと可哀想な気がしてきたので私は…



「別に、一緒に寝ても良いですけど?」

「……っっ!!」

「(うわ、ジャッカルの奴顔真っ赤じゃねーか。激ダサだぜ)」

「べ、別に良い!俺、床で寝るからっっ!」

「…そう、ですか?あの、じゃぁ私に土下座してシャワー貸してもらいに行くんで。先に寝てても良いです。では、」


私はそう言うと、風呂に必要な道具を持って5号室の部屋を出て行った。

だから、その後宍戸がジャッカルに無言でシーツを分け与える儀式が行われていたなんて気付きもしなかったのだ――




















…あぁ、そうだった。思い出した。

帰った時には宍戸もジャッカルも寝てたっけな…んでしっかり写メ撮ったんだった。

大石は、きっと私達より早く起きて部屋を出ていったんだ。そんなに私と一緒に居たくないのか…

安心して良いのに。いくら私でも触覚はえた人間には手ぇ出さないよ。

私はジャージに着替えると、宍戸とジャッカルを起す事にした。

だけど、揺さぶっても2人も起きない。…そうだv



「亮ー!起きて下さい…ふー」

「どぅわっ!」

「う、うわ!?何だ!?」



宍戸の名前を呼びながら耳に息を吹きかけると、宍戸はガバッと勢い良く起きた。

寝癖ついてる…可愛い。襲うぞゴルァ!!

ジャッカルも宍戸の叫び声に驚いて勢い良く飛び起きる。流石に寝癖はついてない。



「おはようござます。朝ですよー」

「…、、何かしたか?」

亮?何もしてないよ?どうかした?」(ニコ

「…っっ!?(名前呼び!?)」

「…どうかしたのか?」

「何でもないです。私、先に行ってますね。では。」



未だに耳を抑えまっかっかな顔をしている宍戸と、目をパチクリして驚いて固まっているジャッカルを後にし、私は5号室のドアを開けての元へ向かおうとした。

…が、廊下に立っていたのは…






「おはよ、。昨日(っていうか今日)はよくも逃げてくれたねー♪フフ」

「…ゆ、幸村くん…」



仁王立ちでニコニコ微笑む幸ちゃん。いつもより半端なく怖い。

自分で冷や汗かいているのも分かります。



「あれから勝負がつかなくてね…。自身に答えを出してもらう事にしたんだ。それが…確か夜中の5時だったかな?」

「(それはもはや早朝です。ってか気付くの遅すぎでしょ…!そしてそんな時間までジャンケンを…)」

「気付いたら、居ないし?携帯も繋がらないし?俺達究極に眠いし?

「いや、眠いのは幸村君達の所為だと…」

「え゛?」

「な、何でもないです!」

「本当、どうしてくれるの?結局俺寝てないんだよね」

「ご、ごめん…(何で私謝ってるんだ…!…駄目だ!服従幸ちゃん!)」

「練習中に倒れたりしたらどうする訳?の所為だよね、フフ♪」

「…(怖!)」



「俺はただと一緒に寝たかっただけなのにった「…っ今日私2号室に行くから!」



「…本当?」(にこにこ

「…ぁ…」



幸ちゃんの黒魔術が余りにも怖すぎて…言っちゃったよ!私!どうしよう!

くっそう…もう後には引けないじゃんかよ!!



「う…本当、です…」

「そう、良かった。嘘だったらただじゃおかないからね。

「は、はい!」

「じゃぁ、俺はもう行くね…そうそう、お願いがあるんだけど、良いかな?」

「勿論です!幸村様!」

「(…様?)多分、みんな起きてないから全部の部屋回って起こしてきてくれないかな?」

「…え?」



ちょっと待て?

ジロちゃんやチョタの部屋は勿論行きたいけれど、それって1号室にも行かなきゃいけないんだよね…?



……

………

…………それって昨日の二の舞!?

だ、駄目だ!それは駄目だ!



「ゆ、幸村くん…私マネの仕事が…!」

「今の時間は朝食準備の時間でしょ?大丈夫。が居ても邪魔になるだけだからv

「(くっ!反論したいけど合ってる!)」

「…頼んだよ?」

「…はい。」

「そう。じゃぁ俺は行くね。」



しぶしぶ私が返事をすると、幸ちゃんは私に背を向けて歩き出した。

あーヤダヤダ。私、今日も朝っぱらから青学の人に嫌味言われたりすんのかな…

そう思うと、テンションはかなり下がって行く。

でも…嫌な事は早く終わらせた方が良いよね。

そう思って幸ちゃんに言われた通りレギュラーを起こしに行こうとし、私は幸ちゃんと反対の方向を歩き出そうとした…その時



っ!」

「…っ幸村君!?」



数メートル離れた所から幸ちゃんが私を呼んだ。

慌てて振り返る。



「マネ業、頑張って!俺はが柳瀬さん殴ったとか信じてないから!うちの奴等はみんなそうだと思うよ!だから、負けないで頑張ってね!」



そうして、にこっと笑う幸ちゃん。

その笑顔が綺麗で、その言葉が嬉しくて、思わず泣きそうになった。



「うんっ!ありがとう!幸ちゃん!」



私もそう笑顔で返すと、幸ちゃんはまたにこっと笑って歩き出した。


うは!俄然やる気になって来た!

触覚生えたアイツも襲えそうな勢いです!(それは間違ってる)


そうして、私はまず8号室へと向かった。(1号室はラスボスだぜ!キャハ!)












N E X T









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うーん…なんか面白くないorz

幸村はなんだかんだ言ってさんの事好きです。ホラ、涼ちゃんが殴られた事件でも反発してましたし(v

ちなみに3日目で分かる真実が2日目に分かる事になりそうです(笑

その後今一番書きたい話が書けそうですv

一言いうなら…サバイバル!(笑