もう、我慢出来なかった。

くっそ!私の青春返しやがれー!






22.プールサイドでの事実  前編









「よし、全員揃ったな。では今日の練習内容を説明する」



ジーーーッ



「今日は練習試合を行う。」



ジーーーッ



「今から組み合わせを発表する。よく確認するように。」



ジーーーッ




そう言って、榊先生は練習試合の組み合わせをどんどん言っていく。

……ってちょっと待て!

榊先生が話してる間も私に向けられる複数の視線、半端ななく怖ぇ!


あれから私は1号室に行こうとしたけど、やっぱ怖くなって1号室は行かないままの所へ行った。

すると1号室のメンツはすっごい遅刻して到着した…という事です。



あんね?ちょっと待とうね?私を見つめている人睨みつけてる人…ってね?



まず、涼派の海堂、大石、菊丸、手塚

私の鎖骨に貼ってあるでかい絆創膏(落書きを隠すためにね)をめっちゃ満足そうに見ている切原少年

それを同情交じりの視線で見ている樺地

凄い形相で睨みつけてくる私の所為で柳&乾汁の犠牲となった桃城、柳生、がっくん

それにつられて(つられるな!)私を見てくる、同じく柳&乾の汁の犠牲となった若、長太郎、河村、真田

そしてその有様を見てすっごく自慢げにこっちを見てくる柳、乾

何か凄いぐったりした顔でこっちを見てくるブン太



そんでもってこっからが怖い!



ブンブンに何か囁きながら黒いオーラ満載の笑みで微笑むジロちゃん

そしてジロちゃんより黒いオーラ噴出中の跡部、幸村、不二、忍足、仁王、越前



・・・・って全員じゃん!


助けを求めるように、隣のに話しかける、




「う…、ど、どうしよう…」

潔く殺されてこい

「(命令形…!)
 ねぇ。謝った方良いんですかね?」

「間違いなく1秒で殺されるわね」

「……はぁ。」



「何ですか?」

「お前は生きたいか?」

「はい!」


「じゃぁ、監督が話してるうちに逃げて来い。」

「…っ!…!ありがとう!」

「その代わり」

「はい?」

「涼も、連れて行け。」

「はああああああ!?」

「ホラ。もうそろそろ監督が話し終わるわよ。」

「〜〜っ!しょうがない!」




のくだらねぇ脳みそが何考えてるか分からないけど…

私は、から離れて私達より少し遠い所に居た涼に向かって走って行った。

涼はイキナリの事に吃驚してるみたいで、目を見開いていた。

でも、そんなの待ってる暇はない。一刻も早く此処を離れないと殺される…!


私は涼の右腕をガシッと掴むと、テニスコートと逆の方向へ一気に走り出した。

涼は相変わらずぽかんとしているらしく、足取りは重いが無理矢理走らせた。時折、「な、何…」という声が漏れるが気にしない。


っていうか私達が走り出してるのに監督は気付いていないらしく、まだ話を続けている。気にしない。

それよりもレギュラー達の黒くて冷たくて鋭い眼差しが背中にささってきたけど気にしない。

多分、監督の話中とだけあって私達の事を口には出せないのだろう…と思ったけど、それは違った。

あとから本人に聞いたんだけど、がレギュラーをもうそれは地球の植物が枯れそうな勢いで黒く微笑んでいたのだと言う…恐ろしい!



































「…はぁ…はぁ…此処まで来れば…良いかな…」

「…ったくもう…!は、ぁ…っ何、なのよ…!」




あれから死に物狂いで走り続けた。っていうかこの合宿場無駄に広い…!

いくら走っても走っても幸ちゃんと不二くんの「フフフフフ…」って笑い声が耳元で聞こえてきて…!

気がついたら、此処についてた。…そう、プールサイド。




「いくら広いとはいえ…プールまであるとはなぁ…」

!何で私まで連れて来たの!?」

「いや、殺されるからに決まってんじゃん。」

「はぁ?意味わかんない!もう!」




そう言って涼はため息をはぁ、とつく。

…黙ってれば美人なのになぁ…。

美人=やっかいな性格 って何かお決まりだよね…!

考えてみれば…訳わかんないのはこっちだよね。




「私だって、意味わかんないよ…」

「何?何か言った?
 …まぁ、いいわ。これを理由にしてあんたに暴力振るわれたって言うから。」




涼はフッと憎たらしい笑みを零す。

その瞬間、私の中で怒りが爆発した。


私は涼と向き合って思いっきり睨みつける。涼が少しビクッとする。

グッと涼の胸倉を掴む。




「…もー!
 まじふざけんなお前ー!
 お前の所為でなぁ!あたしはさんざんな目に合ってるんだ!!青学の人達からは殆ど嫌われてるし!?おかげでにゃんにゃん出来ないじゃないかよー!もう!ふざけんな!
 このドラえもん!!

「…っや、やめてよ!」

「っるさい!五月蝿い五月蝿い!ばーかばーか!」

「はっ放して!」


ドンッ



「〜っうわぁっ!」



バッシャ〜ン!




危ない、と思った時は遅くて、私は思いっきりプールにダイブしていた。

全身、水浸し。





「……あ…」

「…マジでキレタ
 こら涼ーーーーー!

「〜ひぃっ!」




ジャージが水を吸収してかなり重かったが何とかプールから這い上がる。

そして涼の後ろに回りこんでにやり、と笑う。

その時、だった。




「涼!」

「っ!?」

「何してんだよ!」




聞き覚えのある声がプールサイドの外から聞こえる。

レギュラー陣か…。わざわざ追って来たのだろう。

プールの周りの柵を登ってくる音もする。おいこら。それじゃぁ柵の意味ないじゃんか。

だからと言って、今更引く訳にもいかない。

に、殺されるなぁ。

ふと、一瞬そう思った。





バンッ!




「涼っ!」



思いっきり、涼の背中を押す。涼は驚いてそのままプールへと落ちて行った。



バッシャーン!





「ざまぁみろ…ドラえもん。」(最後の一言でシリアスな雰囲気ぶち壊し)

「ーっ!お前!何やってんだにゃ!」

「フシュゥ――…ゆるさねぇ。」

「涼!大丈夫かよ!涼!」




菊丸が私の胸倉を掴んで揺さぶる。

うおううおう!ちょ、酔ってきた!




「あれ…!涼さんじゃないですか!?」



柳生の指差す先には…涼の頭と思われる黒い物体が浮いていた。



「あいつまさか…泳げないんじゃ…」

「涼!」



バッシャン!と音を立てて桃城がプールに飛び込む。

まさか…泳げないとかねぇ?プッ ←最低

桃城は涼の所まで泳いで行き、急いで涼の頭を掴んだ。

・・・・・・・掴んだ?




「…………」




全員が静まり返る。

文字通り、桃城は涼の頭を掴んでる。

や…頭じゃない。




「カツラ…?」



誰かの気の抜けた声が聞こえた。

…そう、桃城が掴んだのは涼の頭…カツラ。



















「ゲームオーバーかのう……チッ。涼、出て来んしゃい。もう無駄じゃよ。」






「プハッ!…はぁ…はぁ…仁王…マジ、わ、悪ィ…はぁ、はぁっ」





どこからともなくプールから顔を出したのは……



髪の、短くなった…涼……?





まさか・・・・・・・男?










N E X T







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なんかぐたぐたですね…;すみません!

なんとなくシリアスに…!笑

次はギャグ満載ですよー笑

涼ちゃんは実は男の子でした!気付いた人いたかな!?