「ゲームオーバーかのう……チッ。涼、出て来んしゃい。もう無駄じゃよ。」






「プハッ!…はぁ…はぁ…仁王…マジ、わ、悪ィ…はぁ、はぁっ」







こいつらを殺したいと心から思った。




23.プールサイドでの事実 後編









「まだ2日目じゃ。正体を明かすにはまだ早くなか?」

「わ…悪ィ…」

「…まぁ、良い。なかなか楽しませてくれたからのぅ…」




そう言うと、仁王は固まってる私達を見てクク、と笑みを漏らした。

…もう、意味分からん。我慢の限界。




「…どういう、事…」

「実はのぅ「オメーに聞いてんじゃねーよ糞カス」…プリッ」

「…、」

「答えろよ。ドラエモン

「実は…俺、実は男で…実は「実は実は五月蝿い。手軽に説明しろ。」

「仁王に弱みを握られて女装してました。ほんっとゴメンナサイ」(キッパリ)




「…涼…っ嘘、だよな…?」

「涼が男だなんて…し、信じられないなぁ…」

「嘘だにゃ!?」

「胃…胃が…」



今まで黙っていた青学メンバーが、恐る恐る口を開く。



「悪いけど、俺男。青学の奴等とか、立海の奴等、マジキモかった。

「……そういえば…涼、お前に惚れとったじゃろ?」

「なっ…!」




プールから上がって、青学と立海のレギュラーの顔を見てため息をつく。

そして、仁王に言われて、顔を真っ赤に染め上げる涼。

この時、私は分からなかった。

たとえば、本当に涼が私の事を好きになっていた事とか、

私以外の人は涼の反応を見てそれが本当の事だと悟った事とか、

実はとか幸ちゃんは涼が女装してた事を知ってた事とか・・・




「涼は使えんのう…」

「っっ…」

「「「(好きな奴に嫌がらせするなんて…よっぽど凄い弱みを握られてたんだなぁ…)」」」

「そんなんじゃ…お前の秘密、言「わー!わー!本当言わないで!」

「…涼」

「…?」




慌てて涙目になりながら仁王の口を両手で抑える涼を、笑顔で呼び出す。

あれなんだよね。限界なんだよね

涼は「何何?」と言った顔でこっちに踏みよってくる。




「…マジで、ごめんな?」

「良いよ」

「…許して、くれるのか?」

「うん、勿論」(ニッコリ)

「っっありが「その代わり死んで詫びろや。」…え?」



バッシャーン





涼の背中を、思いっきり押す。

っていうか、プールに投げたって言うのかもしれない




「本当に惚れた女にあんな事出来るかよバアアアアアアアカ!
 涼なんて沈んじまえ!東京湾にコンクリートで固めて沈めたるわ!」(注:犯罪です。

「「「(ってあんなキャラだったんだ…)」」」←真面目しか知らない青学の皆さん




そう叫びながら、浮き上がってこようとする涼の頭を手で押さえつける。




「おうおう、キレたは怖いのぅ」

「あ!?っていうか仁王、何でこんな事したの!?」

「いや、泣いてる女はそそられるじゃろ?」

「仁王クン、キミも沈めv」




バッシャーン




さっきと同じ様に、仁王の背中に回りこんでプールに投げ込む。




「もう!マジで沈めやお前等!今回は限界ですうううう!!!!
 バーカバーカバー「萌えや!ちゃん!」わっ!やめっ忍足!?」




バッシャーン





再び仁王と涼を沈めようとすると、背中に重い衝撃。

それに耐え切れなくて忍足と一緒にプールに落ちてしまった。




「〜ぷはっ!ちょっ!忍足!何してくれんじゃい!」

「だってちゃん萌えるんやもん!」

「いや、聞いてないし」

「水の滴るちゃん……萌えるわ〜!それで制服だったら下着が見えてええ感じやのになぁ?!」

「だから聞いてないし。ってか私に問いかけるな。」

ちゃん!もう俺と結婚ガスッ

「調子乗るな!変態伊達眼鏡!くっそ〜!お前も沈んじまえ!!」




未だに私に抱きついて放さない忍足を無理矢理沈めようとするけれど、腰にまとわりついて離れない。




「忍っ足!放して!気持ち悪「忍足?」ジロちゃん…!って!うわわ、ソレ投げちゃ駄目だよ!」



プールの外から、がっくんを持ち上げてこっちを微笑みながら見てるジローちゃん。

ちょっちょっちょ!駄目だって!コレ危ないって!



「涼も…仁王も…何なんだよ?俺のちゃんに手ぇ出すなC〜?」

「ジッジロー!下ろせ!お、下ろせ下ろせ!!くそくそ!」

「そ…そだよ!ジロちゃん!ソレ投げたら危ないって!私はウェルカムだけど!!!!忍足も危ないと思うよね!?」

「好きやよちゃーんv」

死ねよ…
 涼!涼!奴を止めろ!」

「はぁ!?無理だって!」

「五月蝿いなぁ…がっくん!逝け!キミに決めた!」

「(ポケモン!?)〜っうわあああああああっ!」





バッショーン





ジローちゃんががっくんを忍足に目掛けて投げつける(=私に向かって)

忍足もそれに吃驚して、一瞬私の腰に回していた腕を放す。

その隙に、私は忍足から即座に離れた(=忍足とがっくんブッツンコ☆)

ってか効果音変じゃね?




その間、幸ちゃんや不二クンと言えば…



「ねぇ、幸村。おたくの仁王クンは良い度胸しているね」

「そうだね」

「僕達のちゃんを1人で遊んで楽しむなんてね?」

「フフ…此処は連帯責任かな?
 ジャッカル、落ちろ。

「俺かよっ!?」

「先輩なら潔く行って下さいよ!ホラッ!」

「そうだぜぃジャッカル!落ちろぃ!!」

「〜うわっ!」



バッシャーン




赤也とブン太に背中を押されて、ジャッカルがプールに飛び込む。

あー…野生に戻ったみたいだね…




「赤也、ブン太、キミ達もねv」

「え…?」「うわぁっ!!」




バッシャーン



隣でその有様をニコニコしながら見ていた幸ちゃんが、2人の背中をポン、と軽く叩く。

軽く叩いたのにすっごい勢いで落ちてきたのは黒魔術の所為なのかな…




「ギャー!プールに人が降って来る!死ぬって!幸ちゃん!ストップ!ストォォオオップ!」

「しょうがない。運動部は連帯責任だろう」

「へぇ?じゃぁ部長も落ちなよっ!」

「…む?」



手塚が振り返った時にはもう手遅れで


越前少年はあの手塚をプールに突き落としていた。



バッシャーン!




「にゃっ!おチビが手塚を落としたー!おチビも落ちろー!」

「〜っ!?センパイもね!」



バッシャーン!



優越感に浸っていた越前少年を菊丸が思いっきり後ろからアタックする。

それに耐え切れなくなった越前少年は、土壇場で菊丸の腕を掴んで一緒に落ちてった。



「っも〜!落ちてくんなっての!!死ぬ!死ぬ!」



しかしそれを合図にした様に、あちこちで落とし合いが始まっていた。

「プール遊びなんぞくだらん」とかしかめっ面な真田に何故かチョタがタックルしたり

跡部なんか「触れたら〜魔法にかけちゃうぜ〜!」とか叫んで威嚇してるけどあっけなく宍戸に落とされてるし

幸ちゃんと不二君なんか無言でにこにこしながらお互いの腕を握って落とそうとしてるし

しまいにゃぁなんか無言で写真撮りまくってるし?(それに誰も気付いてない)


プールの中でも沈め合いが始まってて(何で男子はこんな野蛮な事が好きなんだ…!)その影でひっそり上がろうとしている仁王を発見。

逃がすもんかよおおおおおお!

水を書き分けて仁王の元へ行く




「1人勝手に上がろうとしてんじゃないっ!こんの詐欺師!」


ガスッ


「…っ?」



仁王の足を思いっきり蹴る。

するとバッシャーンという音を立てて仁王がまたプールへ落ちた…のは、確認できたんだけど…、

その音と共に視界が一気に真っ暗になる。


あ…あれれ?

恐る恐る目を開けてみると




「そんな野蛮な女はモテないぜよ」

「〜っ!?」



仁王の特大アップ

しかも何故か抱かれてます



「まさかから誘われるとはのう…」

「っ誘ってないし!放せ!」

「好きよ好きよも好きの内…ピヨッ」

「何意味の分からん事を「仁王、ちゃん放せC〜?」



仁王も結構イケメンな訳で。

それが大アップだと流石の私も赤面するのが自分でも分かった。

だから、ジロちゃんが来てくれて助かった。

黒いオーラは尋常じゃなく怖いけれど…




「芥川か…。まぁ、良いじゃろ。どうせ夜があるし…のう?」

「夜…?…………ハッ!今日は2号室に行かなきゃいけないんだ……
 怖い事思い出させないでよ!仁王!」

「え?夜?今日はおれ達の部屋来るよね?来るよね?

「うっ…」

「何言ってる?、今日が俺達の所起こしに来てくれなかったから俺達遅刻したんじゃけど?
 まさか忘れとらんよなぁ?

「〜っ(ニオさんの黒魔術初めて見たよ!あれ?初めて!?怖いっていうかエロい!エロい!うおおおう!脱ぎ始めてんじゃねーよ!)」



ジロちゃん&仁王の恐喝とプールへの落とし合いとそのプールでの沈め合い(+のカメラ撮影)は、しばらく続いた――。









N E X T









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ううぇーい…疲れた!

最近更新速度遅くてすみません^^;