「……」
いや、何だこの状況は。
「…………」
ねぇ、なんで手塚が私の隣で寝てんの?
25.サバイバルの心得
「いや、おかしいおかしい。おかしすぎるだろコレ。なんでよりによって手塚?」
「…あぁ」
目を開けると、目の前には手塚の顔。あらまー、眼鏡外しても美形ですことー。
でもね?いやね?まだ跡部やらその辺が一緒に寝てるのは物凄くウザいけどまぁ跡部だしな、で片付く訳!
でもね?いやね?手塚となると話は別でしょ?あのクールビューティー手塚でしょ?
色々イメージ崩れるでしょ?
パニック状態に陥って思考が停止しかけていた時、目の前の手塚が目をあけた。
「あぁ…うん、…か。」
「…ごめん、色々突っ込みたい所あるんだけど!」
「……zzzz」
「ちょっ!寝てんじゃねええええよおおう!」
間近で大声を出しても起きないテヅーカ(キャプテンワカーメと被りますね)
なかなか起きる様子がないので、ほっぺを引っ張ってみた。
「ほれほーれ。起きないと火で炙っちゃいますよー」
「…分かった、分かったよ母さん…」
「はっ!?私母さんじゃないよ!……ってうわっ!何すんじゃいっ!」
手塚は何を思ったのか、何処から取り出したのかも分からない眼鏡を私につけた。
「いやいやいやいや!こんな展開想像もしなかったんだけど!?
ってか手塚は母さんに毎朝こんな事してんの!?」
「……」
「おい、いい加減起きろって。眼鏡割るぞ。息の根止めるぞ」
「あさーはよわ〜い…そうぼくーはてーづーかくっにみつん…」
………よし息の根を止めよう★
手塚の最後の寝言は聞いてない。断じて聞いてない。聞いてないったら聞いてない。
忘れよう。あれは悪い夢だ…
私はとりあえず眼鏡をへし折って、手塚の鼻と口を押さえた(キャハ☆殺人現場☆
「駄目だよ、ちゃん。
殺るつもりならもっと強く抑えないと。代わって代わって。」
「っ不二くん!?」
必死に息の根を止めようとしてると(あ、良いこのみんなはしちゃ駄目だよ?☆)ぬっと現れた不二くん。
うわーまぶしい!んでもって黒い!
そっと手塚から手を放すと、今度は不二君の手が手塚の鼻と口を押さえる。
「こうやってね、強く押さえるんだよ?
息止めって楽には死ねないから・・・手塚には丁度良いよね?」
「ちょっ!不二くん!マジで手塚苦しそうだから!ごめんなさいごめんなさい!やめてやめて!」
殺人現場は見たくないよ・・!
不二くんの恐ろしさを改めて実感した時でした。
不二くんは「あはは、本当だ。すっごい苦しそう」って極上のスマイルで言うと、そっと手塚から手を放した。良かった…!!!
っていうか、手塚ぐったりしてるけど大丈夫かな?
後から聞いたけど、私が寝たのは跡部のベットだったらしい。
部屋にはベット4個。つまり、1つ足りなかったって訳だ。
私は病人だけあって、1人でベットを使わせよう、と事になったらしい。
そこで問題が発生。誰か2人が同じベットで寝なきゃいけない。
いやさ、幸ちゃんと不二君が寝てたらそれは萌えるけど手塚と跡部とかそういうムサそうなペアは見たくない。
まぁ幸ちゃんと不二くんは黒魔術(本人は否定してたけど)でベットを確保して、必然的に跡部は手塚と寝る事になったんだけど、跡部が手塚を蹴り飛ばしたらしい。
手塚は床で寝ることになったんだけど…寒くなって私のベットへと侵入。
それで不二くんはすっごいキレてったっぽい。
うわあ不二くん本当恐ろしい。
そういえば、まだ跡部と幸ちゃんは起きてないのかな?と思って2人のベットへと近寄ってみる。
「うわ……鼻血でそうなんだけど。これ永久保存版ね」
寝てる跡部と幸ちゃん。
いや、マジ美形!!!!トリップして良かった…!
幸ちゃんの寝顔なんてレアだvvなんて思いながら、私は2人の寝顔を写メで撮った。
「幸村、疲れてるみたいなんだよね。起きてないなんて珍しいでしょ?」
「うん、レアな物見れたよー」
「幸村さ、ちゃんの事心配して夜明けまで看病してたんだよ」
「…マジ?」
「うん。ようやく寝たのが2時間前。」
「…幸ちゃん……。」
これは、本当に嬉しかった。
幼馴染の特権っていうかなんていうか…ぐっすり寝てる幸ちゃんに申し訳ないと思った。
「…んん?」
「お、幸ちゃーん。おはよ!」
「あぁ…。ふふ、元気そうだね。おはよう」
むくりと起き上がる幸ちゃん。
私の姿を見てニコリと笑う。
やべーよ美形やべーよ
それから、もうそろそろ集合がかかる、という事でジャージに着替えることにした。
…今更だけどさ、ジャージって私的に萌えポイント100Pなんだけど。
しゃ、写真とらせて!って頼んだら、「100万」って真顔で言われたので諦めました。
そして、未だに起きてこない跡部と手塚。
「じゃ、そろそろ行こうか。」
「あー…手塚は?」
「「いらないよ」」
「(…)跡部は?」
「「いらないね」」
「……………。」
そのまま私達は部屋を出た。
あとから急いで来た跡部と手塚がジャージ後ろ前反対だった事は内緒ね?(どんだけ急いでたんだ…)
「はーい注目。今日の練習について説明するわ。」
朝食を食べ終えて、がみんなの前へと出る。
今日の練習?そんなの私聞いてない…!
なんか私マネの仕事全然してなくね!?ってふと思いました…。(めげるな私!
「今日の練習内容は名づけてドロケイサバイバル30よ。ルールは…」
「は!?そんなの練習なのかよ!?」
「どろけい…?遊びじゃねーか!」
どこからともなく、ブーイングの声が飛ぶ。
こらこらこらこら。の話の邪魔すると死ぬのに…(←経験済み
「はいはい静かにー。第一昨日遊んで練習放棄したのは誰?その癖に文句言う訳?黙って話聞いてろ?v」
の一言で、騒がしかった食堂が一気に静まる。
うわあ最強。いや、最恐。最凶。
「これは、監督達が話し合って決めたメニューよ。これで一気に体力、知力、素早さ、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚が鍛えられるの。」
「「「(思いっきりテニスと関係ない物が入ってた様な…)」」」
「ルールを説明するわ。基本的普通のドロケイと変わらない。ただ、制限時間が30時間。今から重要な12個のルールを読み上げるから、しっかり聞いててね。
1,マネージャーは泥棒。部員は警察
2,3校あるので3つの署(警察のグループ)に分ける
3,氷帝はテニスコート、立海はプール、青学は道場が陣地。マネは自分達で好きな所を陣地にして良い。ちなみにその場所を部員には知らせない。つまりは自分達で探せ、って事
4,陣地にはお互い入り込めない。だけど泥棒の陣地は見つけた時点で43秒数えたら入ってもいい
5,泥棒は3つの署のそれぞれの宝を捕まらないように盗らなきゃいけない。
6,宝は陣地に持って帰らなきゃ盗んだ事にならないし、仮に捕まっても署に連れてかれる前に逃げればOK
7,泥棒にはリーダーが居て、リーダーは印として黒い指輪をつけなければならない
8,警察はゲーム終了時点で泥棒リーダーを捕まえていた署がバスに乗って学校へ帰れる。捕まえられなかった署は走って帰る
9,泥棒はゲーム終了時点で1人でも捕まっていれば乾&柳の特性ブランド汁を飲まされる。…10種類の
10,泥棒は捕まっても他の泥棒がタッチすれば逃げる事が出来る
11,宝を盗られた時点でその署はゲームオーバーとなるが、他の署が許可すればその署と合体出来る。その変わりそれなりのリスクがあると思え
12,あとは何でもアリ。警察沙汰にならない程度に
以上。質問はある?」
「…いいか?」
涼がおそるおそるに問いかける。
「涼、何?」
「もし制限時間以内にマネが全員捕まったら?」
「マネの負けとなって、罰ゲームね。
ちなみにリーダーを捕まえていた署がバスに乗れるわ。」
「本当に走って帰るのか?」
「だから1週間の合宿の予定なのに明日で終わろうとしてるんでしょ。負けた署の為に」
「、マネを捕まえていた時点で宝を盗られるっていう事態になったらどうなんだい?」
「マネはその時点でその署から逃げる事が出来るわ。ただ、他の署と合体する場合はマネを逃がさなくても良いの。その時はいったんマネを解放して10数えたら追いかけて。」
「つまりは泥棒リーダーを捕まえとけばええんやろ?っていうか、どう考えても泥棒不利やろ」
「さぁ?そのリーダーに気を取られて宝を盗まれたら終わりよ?
不利だなんて、とんでもないわ。警察同士でぶつかる可能性だってあるんだから。それに私達は勝っても負けても罰ゲームはあるけど無事にバスに乗って帰れるもの。」
おいおいおいおいおいおい。
本当にやるんですかドロケイ。
みんなの顔を見てみると、どれも真剣な表情だ。
…マジですかよ…………うはwたのしそーvv
でもリーダーだけはやりたくないなぁ……。
「もう質問はないわね。じゃ、各自、自分の陣地についたら始まりよ。
合図は監督達が監視カメラで見てるから、問題ないわ。
じゃ、頑張って捕まえてみて下さいね?フフフフフ…」
うおお、こええよ!
の合図で、みんな散っていく。中には”ぜってー捕まえてやる。走って帰るなんて無理”って殺気も混ざって私をにらみつけてくる輩も。
そんなときは”おめーあとで体中の毛穴に針刺すからな”と無言で睨むとみんな口笛を吹いてどっかに行った。
「、涼。行くわよ。」
「おう!」
「はいほーい!」
……今、地上最強のサバイバルが始まろうとしていた(笑)
N E X T
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とまぁ、今回はギャグ薄めのルール説明ですうへへ。
あー、これ書きたかったネタなんで嬉しいです!
って言っても、初めて考えた時から1ヵ月位たった気もしますが…笑
楽しんでいただけると嬉しいです!