隣を歩くのは柳生。
前を歩くのは真田と幸ちゃん。
そして後ろを歩くのが柳。
癒しが…ないんですが…
45.魔獣との遭遇
「幸村ブチョ、この後ファミレス寄りませんかー!」
「あぁ…久しぶりだね。練習試合の打ち上げもかねて行こうか」
「うむ。たまになら良いだろう」
「涼くんも行きますか?」
「あー…お、俺はいいよ。うん。」
「えっ?涼が俺らの誘い断るの?」
えっ?ブン太が黒い?
周りを見渡すと皆さんにっこにこ。え?なに?涼ってそういう扱い?
でも負けるな私!今此処でみんなとファミレス行ったらボロ零しかねないよ…うん、頑張れ私!
「俺今日金欠なんだ。だから、ね?」
「え?お前今日朝イチで俺のところ来て
『1000円拾ったどー!!テレッテッテリー♪涼くんはレベルが上がった!』とか叫んでたじゃん。」
ジャッカルゥウウウウウ!!!実演とかしなくていいからアアアア!!?
「ほう?なら問題はないだろう」と後ろから呟く柳がすっごい怖いです、隊長。
しょうがない。此処は私の十八番、逃走の時だ。
3・2・1…
「あっ、涼が逃げた!!」
「明日シめれば良いじゃろ。ほっときんしゃい」
「そうッスね…明日…」
後ろから聞こえた会話は皆さんの幻聴だと思います。
* * *
ところでだ。
此処、何処?
闇雲に走って来て気づきました。マジで此処は何処だ、と。
そういえば私涼の家知らないし、電車に乗るのか徒歩で帰るのかすら分からない。
このまま野宿とか絶対嫌だし、いやもう本当どうしよう!迷子ってこんなに不安になるなんて…!
そんな時、前方を歩く白いものが見えた。…例えるのならそう、まるで白菜のような・・・
よし、あの白菜に聞いてみるか!
「あのー、そこの白菜の巨塔さん…」
「あ゛ぁ!!?!?」
「ぎゃあああああ出たああああ白菜イイイイ!!」
「てめぇ殺されてぇのか!!!」
「って冗談だからね。そんなに怒るなよ」
「・・・・。」
ってかこいつ、亜久津じゃん!かの有名なあっくんだ!
うーわー、私相当運良い。やっと山吹の人に会えた!
あ、でも初対面だっけ☆やば〜い♪なんて考えていたら亜久津が私の顔を見た途端目を真ん丸にした。
「なんだ、涼じゃねぇか…」
「(えっ、知り合い!?)あ、おう…ひ、久しぶり?」
「おう。」
「唐突な質問しても良いか?」
「勝手にしろ」
「俺と亜久津ってどういう関係?」
「ブフォッ!!」
うわ、汚ぇ。
そう呟きながらも嫌悪の目で亜久津を見ると、その顔はまっかっか。
え、亜久津ってまさか…?
「お相手は壇くんか?」
「あぁ゛!?」
「だからお相手は壇くんか、と聞いておるのじゃ!」
「あぁ゛!?」
「あぁ゛!?」
「ああっ↑――っっ!!」
「キャーハズカシーウラガエッター」
拳をわなわな震わせますます顔を赤くさせる亜久津。なんだこのアホの子!
亜久津は大きく深呼吸をすると面倒くさそうに呟いた。
「俺とテメーは幼馴染だろーがよ。あと千石も!」
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