今日もつまんない


明日もつまんない?



私の名前は。中学3年生で、私立の学校へ通ってる。

私はそれほど目立つルックスでもないし、自分で言うのもアレだけどすっごく平凡な日々を送ってる。

中3って言えば、受験シーズン!

だけど私は高校までエスカレーター式なので受験は関係ない。

ただ、つくり笑いで過ごす日々。

そんな私にも、1つだけ熱中できる物があった。

それは今はもう完結してしまった「テニスの王子様」。

ぶっちゃけね!お金なくて途中からコミック読んでないけど!!!

マジもうね!?最高じゃないですか!?跡部とか忍足とか…!!

ジローちゃんも可愛いよね。(全員氷帝だけど気にしないでいただきたい。氷帝大好きっ子なんだ)

そして今日も私は、ネットで夢小説を読んでいた。







1.さようなら こんにちは







「あ〜…私も本当に異世界トリップしてみてぇよぉ……!」



勿論テニプリの世界に。

もしトリップ出来たら・・私、全身タイツで良い。




「神様……マジ頼みます!この通り!」




両手を合わせて、空に向かってお祈り。

原作が終わってしまったからこそ、トリップしたい!!

生でキャラが見てみたい!




「え〜…どうしよっかなぁ♪」

「そんな事言わずに頼みますよ!ホラ!私が昔拾ったビービー弾あげるから!しかも今ならレアなスケルトンもあげる!

「(いらねーよ。しかもお得情報みたいに小声で言うなよ)うーん……いいよ!何かキミ楽しそうだから!」

「本当!?じゃあ早速……ってギャァァァアアアアアアア!!!あんた誰だよ!」

「魔女っこルンルンだよ♪ルンルンって呼んで♪」

「(落ち着け これは夢だ 夢だ。夢だ!・・夢?夢小説!?)」

「期間は特に決めてないけど、まあ楽しんできてね」

「(なるほど!夢小説ね!?オッケーオッケー)」

「その間現実の時間は止めとくから♪」

「(夢なら覚めるな!ウヒヒヒ!私本当にトリップ出来るかな?)」

「んじゃぁいってらっしゃい!」

「いってきます!……って ぇええええ!?」



その瞬間、私の視界は真っ暗になった。

おえ、気持ち悪い

なんか意識が遠のいて……い……く…














「ッウオオオオオオオオ!!」

「!!!?」



野太い男の悲鳴で思わず飛び起きる。ちょっと待って待って、ここ何処!?

オッケー。落ち着け私。何が見える?

目の前には目を丸くして私を見ている男。あれ?見たことあるなこの顔。しかもかなり美形!目元の泣き黒子がいいね!跡部みたい!

そしてどうやらその跡部似の男の子の上に私は跨っているらしい。しかもベットの上で。

・・なんだ、夢か。



「お・・・っおい!貴様、何者だ!」



ってマジでこれ跡部じゃんんんんん!!!?

やった!私トリップできたんだね!ルンルン・・お前は立派な魔女っ子だったよ。

しかも跡部押し倒してるとかまじ美味しい設定!?軽く変質者扱いされてるけど。



私、

ちげええ!名前なんて聞いてねえよ!!

「何?今跡部が聞いたんじゃん!」

「あ、いや・・そうだけど・・つーかテメェ、どういう了見で此処にいやがる!この全身タイツ野郎が!!



この全身タイツ野郎が!!この全身タイツ野郎が!!この全身タイツ野郎が!!この全身タイツ野郎が!!

嫌な予感がして、自分の腕に目をやると・・



「タイツウウウウウウウウウ!!!!」

「っ!?うおおおおおおおおお!?」




いや、トリップ出来たら全身タイツでも良いって言ったのは私だけど!!

分かってよ!ユーモアだって分かってよ!!

全身タイツじゃ恋どころか友情も生まれないよ・・



いやああああああ!!

「!?おいテメェ待ちやがれ!



とりあえずベットから飛び起き全速力で跡部の部屋を出る。

ルンルンとかいう魔女っ子出て来い!!いや、出てきてください!

このままじゃトリップ早々警察行きだよ!そんなの嫌すぎる!



「あれ?嫌だったの?しょうがないなあ、もう一回やり直してあげるね!」



跡部邸を疾走していると、何処からか聞こえてきたルンルンの声。

馬鹿野郎当たり前だ!と叫ぼうとする前に、今度こそ私の意識は途切れた。






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